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自分の生活の中から心のつながりを掴んでいこうという方向に漸く変わりつつある。その具体的な現れが、地方分権である。
○青森県は日本でおそらくナンバー1の原子力県であり、その原子力を県民がどう受けとめていくか、ある面では大きく青森県に権限が委譲されてくる部分もおそらくでてくるのではないかと思う。そういう時に大切なのは、原子力そのものが、まだ結論が出ていない科学であるので、はっきりとした結論が出るまで、賛成にしろ反対にしろ話し合いを続けていくという姿勢である。
民主主義の一番基本的な条件は、いつでも話し合うという姿勢に甲乙両者がたっているということである。
あの人ともこの人とも語り合う。だから民主主義とは大変な遠まわりであるが、出てきた結論にはいろいろな人の意見が反映しているから民主主義はいいものなのである。その語り合うということが、地方分権の重要な項目と考えている。
○次に取り上げたいのは、女性の力の重要さである。三内丸山遺跡を例にあげると、出土した様々な遺品判定するのに、女性の生活からのものの見方が必要であると考える。歴史に詳しいからといって、男性の委員ばかりが集まってしまうと、どうしても男性は権力や組織を中心に考えがちになってしまい、適切な判定ができない可能性もある。女性は自分があそこで生活したらどうするかと、生活の原点から考えることができるので、委員の半分は女性にすべきと思う。
○そして地方分権に大きな力を持っているのは女性であり、あらゆる所に女性の力が半分入る、というのが、地方分権が目指すべき大きな目標である。
なぜかというと、地方分権は下から盛り上がってくる生活を中心にして出来上がってくる権利であるからである。
○地方分権にするのは、今や地方が高度経済成長の後を受けて、それぞれの経済力を持ち、十分に自分の力で県市町村を経営できる情勢が出来たからである。それは同時に下から盛り上がる都道府県市町村を作っていくことに他ならない。その際そこに、女性の大きな力が加わってしかるべきであると私は考えている。
○平成元年の8月に三加和町の少年神楽を私の劇場で上演したが、その時、アメリカ、ヨーロッパ、アジアから二十才前後の若い音楽家が300人ぐらい来場していた。子供の神楽だから単調な舞いであり、伴奏の音楽も、太鼓と笛と鐘しかないので、見ていたら退屈だろうと思った。上演が2時間半に及んだが、この間、外国から来た若い音楽家達が一人も席を立たなかった。終わってからアメリカの音楽家達が、こういうすばらしい芸能を、日本人は260年も前から子供に伝えてきたのかと、涙を浮かべて話してくれた。今盛んに国際化が言われているが、国際化とはお互いが手をとって生活を平等にし、文化をお互いに交流することである。
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